
格闘ゲームの大規模オフライン大会「Combo Breaker 2026」が、2026年5月22〜24日にアメリカ・イリノイ州シャウンバーグ(シカゴ近郊)のSchaumburg Convention Centerで開催されました。『ストリートファイター6』部門ではTeam FalconsのXiaohai選手(マイ / ベガ)が、『鉄拳8』部門では同じくTeam FalconsのFarzeen選手(リディア / ヴィクター)がそれぞれ優勝を果たし、Team Falconsが1つのメジャー大会で両タイトルを制覇する快挙を成し遂げています。
Combo BreakerはThe HadouとGaming Generationsが主催するアメリカ最大級の格闘ゲーム大会の1つで、毎年5月にシカゴ近郊で開催されています。スト6部門にはCapcom Pro Tour 2026のプレミアイベント、鉄拳8部門にはTekken World Tour 2026のマスターティアイベントとしてそれぞれ公認されており、優勝者には公式ツアーのポイントと各種出場権が付与されます。また、7月にパリで開催予定のEsports World Cup 2026の出場枠も両タイトルに設けられていました。スト6部門には1,452名、鉄拳8部門には1,218名がエントリーし、世界各地からトッププレイヤーが集結する大規模トーナメントとなっています。
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スト6部門 上位入賞者
| 順位 | 選手名 | 国籍 | 所属 | 使用キャラクター |
|---|---|---|---|---|
| 優勝 | Xiaohai | 中国 | Team Falcons | マイ / ベガ |
| 準優勝 | Hinao | 日本 | REJECT | サガット |
| 3位 | Jr. | 日本 | RIDDLE | ザンギエフ |
| 4位 | kobayan | 日本 | 再春館Sol熊本 | ザンギエフ |
| 5位タイ | Fuudo | 日本 | REJECT | エド |
| 5位タイ | Oil King | 台湾 | T1 | ラシード / テリー |
| 7位タイ | Micky | 香港 | Team Falcons | マイ |
| 7位タイ | Vxbao | 中国 | All Gamers | ベガ / マイ |
TOP8には日本から4名(Hinao、Jr.、kobayan、Fuudo)、中国圏から3名(Xiaohai、Vxbao、Micky)、台湾から1名(Oil King)と、アジア勢が全枠を占める結果となりました。また、3位のJr.選手と4位のkobayan選手がともにザンギエフを使用しており、投げキャラの強さが際立つ構成となっています。
Xiaohai選手、敗者側から圧巻の逆転優勝
優勝したXiaohai選手は、ウィナーズ側のセミファイナルでHinao選手のサガットに2-3で敗れ、早くもルーザーズ側に回る展開となりました。しかし、そこから始まった敗者側の勝ち上がりは圧巻の一言でした。REJECTのFuudo選手を3-2で退けると、続くkobayan選手を3-1、ルーザーズファイナルではウィナーズファイナルから落ちてきたJr.選手を3-0で完封し、グランドファイナルへの進出を勝ち取っています。
グランドファイナルではウィナーズ側から勝ち上がったHinao選手と再戦となりました。Xiaohai選手はルーザーズ側のため、優勝するには2セットを連取する必要がある不利な状況です。しかし第1セットをマイで3-1と快勝してブラケットリセットを成立させると、リセット後の第2セットも3-0のストレートで完封し、ウィナーズセミファイナルのリベンジを果たす形で優勝を決めました。
Xiaohai選手(曽卓君)は中国出身の36歳で、『ストリートファイターIV』や『KOF』シリーズの時代から世界の舞台で活躍してきた格闘ゲーム界のレジェンドです。スト6では2024年と2025年のEsports World Cup SF6部門を連覇し、EWC史上初のタイトル防衛を達成した実績を持ちます。今大会の優勝はスト6におけるCPTプレミアイベント初制覇となり、Capcom Cup 13への出場権も獲得しました。EWCとCPTの両方で頂点に立つ、まさに「スト6最強の一角」と呼ぶにふさわしい成績を残しています。
一方、準優勝のHinao選手は15歳のサガット使いで、REJECTのユース部門に所属する新鋭です。ウィナーズ側では全試合を3-2の接戦で勝ち切り、セミファイナルでXiaohai選手を、ウィナーズファイナルではJr.選手を破ってグランドファイナルに一番乗りする堂々の勝ち上がりを見せました。グランドファイナルではXiaohai選手の経験値に屈しましたが、36歳のレジェンドと15歳の新星による21歳差のグランドファイナルは、今大会を象徴するドラマの一つとなっています。
鉄拳8部門 上位入賞者
| 順位 | 選手名 | 国籍 | 所属 | 使用キャラクター |
|---|---|---|---|---|
| 優勝 | Farzeen | パキスタン | Team Falcons | リディア / ヴィクター |
| 準優勝 | ATIF | パキスタン | Team Falcons | ブライアン / ドラグノフ |
| 3位 | Mangja | 韓国 | Virtus.pro | ロウ |
| 4位 | Arslan Ash | パキスタン | Twisted Minds | ニーナ / ザフィーナ / アンナ / ミアリー・ゾ |
| 5位タイ | CBM | 韓国 | SOOPers | 仁 / ミアリー・ゾ |
| 5位タイ | TekkenMaster | バーレーン | NASR eSports | エディ / クライヴ |
| 7位タイ | Hafiz Tanveer | パキスタン | Twisted Minds | クラウディオ / ニーナ |
| 7位タイ | Rangchu | 韓国 | VARREL | ファーカムラム |
鉄拳8部門ではパキスタン勢がTOP8の半数(Farzeen、ATIF、Arslan Ash、Hafiz Tanveer)を占め、1位・2位をパキスタン出身の選手が独占しました。韓国からはMangja、CBM、Rangchuの3名、バーレーンからはTekkenMasterが入賞しており、アジア・中東勢が上位を席巻する格好となっています。
Falcons同門対決のグランドファイナル、Farzeen選手がリセットを制す
鉄拳8のグランドファイナルは、Team Falcons所属のFarzeen選手とATIF選手による同門対決となりました。
ウィナーズ側を勝ち上がったFarzeen選手は、セミファイナルで4位のArslan Ash選手をリディアで3-0と完封し、ウィナーズファイナルでは韓国のMangja選手のロウを3-1で下して、一度もセットを落とすことなくグランドファイナルへ進出しています。一方のATIF選手は、ウィナーズセミファイナルでMangja選手に1-3で敗れてルーザーズ側に回りましたが、そこから見事な巻き返しを見せました。まずCBM選手を3-1で退けると、ルーザーズセミファイナルでは鉄拳界のレジェンドArslan Ash選手を3-2の激戦で撃破します。続くルーザーズファイナルでは、ウィナーズで自身を破ったMangja選手に3-1でリベンジを果たし、チームメイトが待つグランドファイナルへの切符を手にしました。
グランドファイナルの第1セットは、ルーザーズ側のATIF選手が3-2で勝利し、ブラケットリセットを成立させます。しかし、リセット後の第2セットではFarzeen選手がリディアで立て直し、3-1で勝利して優勝を決めました。ウィナーズ側で圧倒的な強さを見せたFarzeen選手も、チームメイトとの直接対決では簡単にはいかなかったことが、この接戦の結果に表れています。
Farzeen選手はパキスタン出身の23歳で、リディアを主力キャラクターとする鉄拳プレイヤーです。EWCファイナリスト2回、TWTファイナリスト2回という実績を持ち、2025年10月にはSEA Majorで優勝を果たしています。一方のATIF選手(Atif Ijaz)もパキスタン鉄拳シーンを代表する実力者で、TWT Finals 2022優勝、CEO 2025優勝に加え、EVO 2025とEWC 2025で準優勝という輝かしい経歴の持ち主です。同じTeam Falcons所属のチームメイト同士がグランドファイナルで相まみえるという構図は、格闘ゲーム大会ならではの光景といえます。
鉄拳シリーズにおけるパキスタン勢の台頭は、2019年のEVOでArslan Ash選手が当時の鉄拳7で優勝して世界を驚かせて以来、今や完全に定着した存在となりました。今大会でもTOP8の半数をパキスタン出身選手が占めており、鉄拳の競技シーンにおけるパキスタンの存在感は衰えるどころか、ますます拡大していることが示された形です。
Team Falconsが両タイトル制覇、今後の格ゲーシーンにも注目
今大会最大のストーリーは、サウジアラビア資本のeスポーツ組織Team Falconsが、スト6でXiaohai選手、鉄拳8でFarzeen選手と、2つの主要格闘ゲームタイトルで同時に頂点に立ったことでしょう。Team Falconsはスト6でMicky選手(7位タイ)、鉄拳8でATIF選手(準優勝)も送り込んでおり、FGCにおける組織としての層の厚さが際立つ結果となりました。
今大会の結果は、今後の格闘ゲームシーンにも直接的な影響を及ぼすことになります。スト6ではXiaohai選手がCapcom Cup 13の出場権を獲得し、Hinao選手とともにEsports World Cup 2026のSF6部門出場枠も確保しました。鉄拳8ではCBM選手、TekkenMaster選手、Rangchu選手がEWC 2026の出場枠を獲得しています。EWC 2026は中東の安全保障情勢によりサウジアラビアからパリへの開催地変更が発表されたばかりで、7月からの本番に向けた出場権争いはここからさらに加速していくことになります。
36歳のレジェンドが敗者側から逆転優勝を遂げたスト6、チームメイト同士の同門対決が繰り広げられた鉄拳8と、Combo Breaker 2026は両部門ともにドラマティックな展開で幕を閉じました。CPTとTWTのシーズンはまだ序盤から中盤にかけてのフェーズにあり、今大会の結果が年間のポイントレースにどう影響するのか、引き続き目が離せない展開が続きそうです。
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