
株式会社ポケモンが主催する公式大会「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2026(PJCS2026)」のゲーム部門予選が、5月10日に招待制オンライン大会として実施されました。事前段階の「グローバルチャレンジ2026」(5月1〜4日開催)からの招待選手による精鋭戦という位置付けで、6月6・7日のライブ大会本戦に向けた最終選考レースが本格的にスタートしています。
ゲーム部門は2026年から世界大会の対象タイトルが『ポケモンチャンピオンズ』へと移行した最初のシーズンとなり、レギュレーションM-Aの初の公式大会として注目を集めました。8月にアメリカ・サンフランシスコで開催される世界大会「ポケモンWCS2026」への切符を懸けた長期戦の、いよいよ国内最終局面に入った形です。
コンテンツ
大会全体の枠組み:3段階のサバイバルレース
PJCS2026ゲーム部門のWCS2026本戦までの道のりは、3段階構造のシードレースとなっています。
| 段階 | 大会名 | 開催日 | 形式 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | グローバルチャレンジ2026 | 5月1〜4日 | オンライン公開大会 |
| 第2段階 | PJCS2026予選 | 5月10日 | 招待制オンライン大会 |
| 第3段階 | PJCS2026本戦(ライブ大会) | 6月6・7日 | オフライン大会 |
| 第4段階 | WCS2026 | 8月28〜30日 | 世界大会(米サンフランシスコ) |
第1段階のグローバルチャレンジ2026が誰でも参加できるオープン大会として機能し、ここでの上位入賞者のみが第2段階のPJCS2026予選に招待されました。さらに予選の各カテゴリ上位128名がライブ大会本戦への切符を獲得する、という段階的な絞り込みです。
カテゴリは「ジュニア」(2014年以降生まれ)、「シニア」(2010〜2013年生まれ)、「マスター」(2009年以前生まれ)の年齢別3区分で構成されています。それぞれのカテゴリで日本一が決定し、上位入賞者にWCS2026の出場権が付与される流れです。
大会のルール:『ポケモンチャンピオンズ』レギュレーションM-A
今大会で採用されているのは、『ポケモンチャンピオンズ』のレギュレーションM-Aです。これは2026年4月8日から6月17日10:59までの期間で適用される、同タイトルにおける初の公式レギュレーションとなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対戦形式 | ダブルバトル |
| 使用可能ポケモン | 全213匹(基本的に最終進化形) |
| メガシンカ | 1バトルにつき1回のみ可能 |
| 持ち時間 | 7分 |
| 総合時間 | 20分 |
最大の特徴は、長らく公式大会から姿を消していた「メガシンカ」の復活です。メガシンカ可能なポケモンに「◯◯ナイト」を持たせて出場し、戦闘中に1度だけメガシンカを発動することができます。種族値合計が一律で100上昇するため、構築の核となる選択肢として注目を集めました。
『ポケモンチャンピオンズ』は2026年からポケモンWCSのゲーム部門対象タイトルに昇格した新作で、グローバルチャレンジ2026とPJCS2026予選はそれぞれ同タイトルでの初の公式大会となります。これまで『スカーレット・バイオレット』で行われてきたVGC(Video Game Championships)シーンが、新たな環境へと完全に切り替わる節目の大会となりました。
グローバルチャレンジ2026 マスターカテゴリ上位入賞者
5月1日(金)11:00〜5月4日(月)10:59の72時間にわたって開催されたグローバルチャレンジ2026は、『ポケモンチャンピオンズ』内で国・地域設定を「日本」にしているプレイヤー全員に開放された公式オンライン大会です。マスターカテゴリのエントリー数は開催3日前の段階で20万人を超えており、世界中のVGCトッププレイヤーが集った過去最大規模の選考レースとなりました。
マスターカテゴリの上位入賞者と公開された構築は以下の通りです(敬称略)。
| 順位 | レート | プレイヤー | 主な使用ポケモン |
|---|---|---|---|
| 1位 | 1893 | Federico Camporesi | プテラ、ガブリアス、リザードン、ニンフィア、イダイトウ♂、アリアドス |
| 2位 | 1877 | Daniel | クエスパトラ、フラエッテ、ブリジュラス、ニョロトノ、ヤバソチャ、ヤミラミ |
| 3位 | 1874 | すいか | 構築未公開 |
| 4位 | 1855 | ゆず | 構築未公開 |
| 5位 | 1854 | Tabu__24 | 構築未公開 |
| 6位 | 1852 | Wolfey | ニョロトノ、ヤバソチャ、ガオガエン、カビゴン、ルチャブル、ゲンガー |
| 7位 | 1848 | marcofiero | ガブリアス、リキキリン、リザードン、ガオガエン、ギルガルド、ニンフィア |
| 8位 | 1847 | Mattia Viola | フラエッテ、イダイトウ♂、オオニューラ、ドドゲザン、エルフーン、リキキリン |
| 11位 | 1832 | Ustm Ns | リザードン、ドドゲザン、イダイトウ♂、ローブシン、ブリジュラス、ヤミラミ |
| 13位 | 1819 | Len | ゲンガー、ガオガエン、ヤバソチャ、ニョロトノ、デカヌチャン、ジャラランガ |
| 14位 | 1818 | MichaelderBeste | ガオガエン、ロトム(ウォッシュ)、ギルガルド、キュウコン(アローラ)、カイリュー、ゲンガー |
| 16位 | 1816 | R Klem | ハッサム、カイリュー、ペリッパー、ブリジュラス、ガオガエン、イダイトウ♂ |
| 17位 | 1816 | sudoz | リザードン、フラエッテ、プテラ、ガブリアス、ドドゲザン、イダイトウ♂ |
| 19位 | 1813 | SupahSanti | ゲンガー、オオニューラ、ガオガエン、ドドゲザン、キュウコン(アローラ)、カイリュー |
| 21位 | 1810 | ね | リザードン、フシギバナ、ガブリアス、ミロカロス、フラエッテ、ドドゲザン |
リザードン、ガオガエン、フラエッテ、ガブリアス、ヤバソチャあたりが上位構築の常連となっており、メガシンカ可能なリザードンを軸とした構築が高い人気を集めていることがうかがえます。
上位入賞者の顔ぶれ:世界トップクラスのVGCプレイヤーが集結
グローバルチャレンジ2026マスターカテゴリの上位は、世界各国のVGCトップ層が顔を揃える結果となっています。
1位:Federico Camporesi(イタリア)
イタリア出身の世界的VGCプレイヤーで、2025年のNorth America International Championships(NAIC)優勝者です。2023年の世界大会ではTop4入賞を果たしており、ヨーロッパ随一の実力者として知られています。今回の1位獲得により、新環境であるレギュレーションM-Aへの適応力の高さも示した形となりました。
6位:Wolfey(Wolfe Glick/アメリカ)
2016年のポケモン世界チャンピオンとして知られ、YouTubeチャンネル「WolfeyVGC」では世界最大規模のポケモン対戦コンテンツを発信し続けている人物です。Regional 10回、National 2回、International 2回、World Championships 1回というキャリア通算の優勝記録を誇り、2024年にはForbes 30 Under 30の「Games」部門にも選出されました。レギュレーションM-Aでも安定した好成績を収めています。
2位:Daniel/7位:marcofiero/8位:Mattia Viola
いずれもヨーロッパを中心に活動するVGCプレイヤーで、グランドチャレンジ系大会や各リージョナルでの実績を持つ顔ぶれです。マスターカテゴリの上位10人のうち過半数を海外勢が占める形となり、新環境におけるグローバルなメタゲーム形成の動きが浮き彫りになっています。なお、上位の日本勢は3位「すいか」、4位「ゆず」、11位「Ustm Ns」、13位「Len」など。とくに3位の「すいか」はわずかなレート差でTop3入りを果たしており、上位陣の競争はかなりの僅差での争いだったことが分かります。
PJCS2026予選 マスターカテゴリ上位入賞者
5月10日に開催されたPJCS2026予選は、グローバルチャレンジ2026の上位入賞者のみが招待される精鋭戦として実施されました。各カテゴリの上位128名にライブ大会本戦の出場権が付与される、絞り込みの最終ステップという位置付けです。
マスターカテゴリの上位入賞者は以下の通りです(敬称略)。
| 順位 | プレイヤー | 主な使用ポケモン |
|---|---|---|
| 1位 | あざといと | 構築未公開 |
| 2位 | りょうま | リザードン、フラエッテ、ヤバソチャ、ガブリアス、ガオガエン、ギルガルド |
| 3位 | くたくた | フラエッテ、ガオガエン、ヤバソチャ、オオニューラ、イッカネズミ、カメックス |
| 4位 | せぱる | イッカネズミ、ニンフィア、フラエッテ、リザードン、ガブリアス、イダイトウ♂ |
| 5位 | げべぼ | 構築未公開 |
| 7位 | りょま | リザードン、プテラ、ニンフィア、ガブリアス、ギルガルド、ドドゲザン |
| 9位 | こう | 構築未公開 |
| 11位 | ふゆばれ | 構築未公開 |
| 13位 | ゆず | 構築未公開 |
| 14位 | キム | 構築未公開 |
| 15位 | えにぴっぴ | 構築未公開 |
| 16位 | いろは | 構築未公開 |
| 17位 | こりおば | 構築未公開 |
| 20位 | もっかん | 構築未公開 |
予選では「あざといと」がトップ通過。2位「りょうま」、3位「くたくた」、4位「せぱる」と続く展開となっています。グローバルチャレンジで4位だった「ゆず」が予選でも13位入賞を果たすなど、両大会で上位を維持する選手も見られました。予選のトップ128には、グローバルチャレンジ上位で目立っていた海外名のプレイヤーの姿は確認されていません。国内マスター部門の本格的な競争は、ここからの段階で改めて熱を帯びている形となっています。
上位入賞者の構築傾向:リザードン軸が圧倒的人気
両大会の上位入賞者の構築を見ると、メガシンカ可能なリザードンを軸とした構築が圧倒的な存在感を放っています。グローバルチャレンジ上位30位以内に構築が公開されている選手のうち、半数以上がリザードンを採用していました。メガリザードンYは特攻種族値159という高さに加えて、特性「ひでり」によって炎技の威力が1.5倍に上昇するため、レギュレーションM-Aの環境では中心的なエースとして機能しています。さらにデメリットなしでソーラービームを使えるため、苦手な水・岩タイプにも対抗できる柔軟性が魅力です。
その他、ガオガエン・フラエッテ(えいえんのはな)・ヤバソチャ・ガブリアス・イダイトウ♂・ドドゲザンといったポケモンが多くの構築で採用されており、これらが新環境のスタンダード構築の核となっていることが浮かび上がります。予選2位の「りょうま」と7位の「りょま」(別人物)はいずれもリザードンを軸とした6体構成で、サポート役にフラエッテやガブリアスを採用した型が好成績を残しました。3位「くたくた」のフラエッテ+ガオガエン+ヤバソチャ+オオニューラの組み合わせも、トリック系の戦略を含む新しいアプローチとして注目されています。
PJCS2026本戦:ライブ大会のフォーマット
ライブ大会本戦は6月6日(土)・7日(日)の2日間にわたり開催されます。タイムテーブルは以下の通りです。
| 日付 | カテゴリ | 開始時刻 |
|---|---|---|
| 6月6日(土) | 全カテゴリ予選 | 午前9時 |
| 6月7日(日) | ジュニア決勝トーナメント | 午前8時30分 |
| 6月7日(日) | シニア・マスター決勝トーナメント | 午前9時 |
予選はスイスドロー方式で最大7試合を実施し、上位64名が決勝トーナメントへ進出。決勝はシングルエリミネーション方式で、各試合は2ゲーム先取(3本勝負)の形式です。一発勝負の緊張感が高まる場面が、特に決勝トーナメントの上位ラウンドでは続出することになります。
ライブ大会の上位入賞者には、トロフィー等の賞品に加えてWCS2026の出場権が付与されます。日本代表の枠数は公式に発表されており次第追記されますが、過去のPJCSの実績を踏まえると、各カテゴリで3〜6名程度の選手が世界大会への切符を手にする構成になる見込みです。
『ポケモンチャンピオンズ』時代のWCS、初年度の覇者は誰になるのか
ポケモンWCS2026は2026年8月28日(金)〜30日(日)に、アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコで開催されることが決定しています。同時開催される「ポケモンXP」とともに、ポケモン公式の世界規模の祭典が現地で繰り広げられる予定です。
ゲーム部門の対象タイトルが『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』から『ポケモンチャンピオンズ』へと完全に切り替わる初年度のWCSとなるため、新環境への適応力が世界王者を分ける大きな鍵となります。レギュレーションM-Aで磨かれた構築や立ち回りが、6月のPJCS本戦、そして8月のWCS世界大会へとそのまま持ち込まれていく流れです。
PJCS2026予選を勝ち抜いた精鋭たちが、6月の幕張開催ライブ大会でいかなる対戦を繰り広げるのか。新世代のポケモン公式大会の幕開けを告げる戦いとして、6月以降の展開からも目が離せません。
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