
株式会社ポケモンは10月27日、チーム対戦ゲーム『ポケモンユナイト』のサービスを2027年3月23日(火)9:00(日本時間)に終了すると発表しました。対象はNintendo Switch版とスマートフォン版の両方で、2021年7月21日のNintendo Switch版の開始から約5年8カ月で幕を下ろします。
『ポケモンユナイト』は2022年からポケモン公式の世界大会「ポケモンワールドチャンピオンシップス(WCS)」の競技種目として実施され、2026年の第20回アジア競技大会(愛知・名古屋)ではメダル種目にも採用されました。今年8月のWCS2026ではZETA DIVISIONが世界一に輝き、9月のアジア大会では日本代表が金メダルを獲得しています。世界一から約2カ月、金メダルからは1カ月での発表でした。
一方で、単独の公式国際大会「Pokémon UNITE Aeos Crown 2027」は予定どおり開催されます。決勝は2027年3月20~21日に東京で行われ、サービス終了の2日前に閉幕する日程です。
発表内容:ジェムの販売はすでに停止
公式サイトの案内によると、今後のスケジュールは以下の通りです。
| 日時(日本時間) | 内容 |
|---|---|
| 2026年10月27日 14:00 | ジェムの販売と、UNITEメンバーシップの新規加入・自動更新を停止 |
| 2026年11月12日 | 特別イベントの開始と、ライブラリ機能を含むアップデート |
| 2026年12月5日~ | Aeos Crown 2027の地域予選が順次開始 |
| 2027年3月20~21日 | Aeos Crown 2027決勝(東京) |
| 2027年3月23日 9:00 | サービス終了 |
所持しているジェムはサービス終了まで使うことができ、未使用の有償ジェムは終了後に払い戻されます(無償ジェムは対象外)。払い戻しの申請はゲーム内で案内されるフォームから行うため、公式は手続きが終わるまでゲームを削除しないよう呼びかけています。
11月12日の特別イベントでは、これまでに登場したユナイトライセンスやホロウェアなどを獲得できます。「ライブラリ」は、サービス終了までに必要なデータをダウンロードしておくと、終了後もバトル記録や獲得ライセンス、ホロウェアなどを確認できる機能です。ランクマッチも最後まで続き、最終のシリーズ45は2027年3月23日9:00まで開催されます。
なお、サービス終了の理由について、公式の告知では触れられていません。
最後の公式大会「Aeos Crown 2027」
Aeos Crown 2027は、WCSの競技種目から外れた『ポケモンユナイト』の単独大会として7月に発表され、9月23日に日程と賞金総額が明らかになっていました。10月27日には、サービス終了の発表と同時に地域別の予選日程と決勝の形式が公開されています。ZETA DIVISIONは公式サイトで、この大会を「Pokémon UNITE最後の公式大会」と表現しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 地域予選 | 2026年12月5日から順次。全14地域とアジア太平洋の最終予選(西地区/東地区)をオンラインで実施 |
| 決勝 | 2027年3月20~21日、東京 |
| 参加チーム数 | 32チーム |
| 賞金総額 | 100万ドル(予選50万ドル、決勝50万ドル。副賞等を含む) |
| 決勝の賞金 | 1位10万ドル、2位7万ドル、3~4位5万ドル、5~8位3万ドル、9~16位1万ドル、17~24位3,000ドル、25~32位750ドル |
| 形式 | Day 1は8グループの総当たり戦、Day 2は各グループ上位2チームによるシングルエリミネーション |
| ルール | 決勝は全試合「オールスタードラフト」。地域予選は各予選の最終日のみ |
| 観戦 | 一般観覧席なし。全試合をライブ配信 |
オールスタードラフトは、一度使用したポケモンを同じマッチの中で再び使用できないルールで、6月のポケモンジャパンチャンピオンシップス2026で公式大会として初めて採用されました。優勝チームには、実物の王冠「エオスクラウン」が贈られます。
決勝の賞金総額50万ドルと優勝賞金10万ドルは、WCS2026のユナイト部門と同じ水準です。WCSから離れることで賞金が縮小するのではないかという見方もありましたが、決勝だけで同水準が確保され、さらに予選にも50万ドルが用意される形となりました。すべての予選通過チームには、東京へのトラベルアワードも付与されます。
日本の決勝招待枠は北米と並んで最多の4枠で、公式はこの中にWCS2026王者のZETA DIVISIONを含むとしています。日本の予選は1月予選(1月16~17日)、2月予選(2月6~7日)、最終予選(2月27~28日)の3段階で、登録は12月11日に始まる予定です。東京開催ではあるものの、一般のファンが会場で観戦することはできず、最後の大会は配信で見届けることになります。
5回の世界大会と、過去最高だった視聴者数
『ポケモンユナイト』の世界大会は2022年のロンドンから始まり、これまでに5チームの世界王者が生まれました。日本勢は2024年のFENNELと2026年のZETA DIVISIONで、2度頂点に立っています。
| 年 | 開催地 | 世界王者 | ピーク同時視聴者数 |
|---|---|---|---|
| 2022 | ロンドン | BLVKHVND(北米) | 4万6,917人 |
| 2023 | 横浜 | Luminosity Gaming(北米) | 5万9,104人 |
| 2024 | ホノルル | FENNEL(日本) | 7万6,308人 |
| 2025 | アナハイム | PERU UNITE(南米) | 9万2,585人 |
| 2026 | サンフランシスコ | ZETA DIVISION(日本) | 16万2,217人 |
※視聴者数はEsports Chartsの集計
ピーク同時視聴者数は初開催から毎年伸び続け、WCS2026は前年の約1.75倍に達しました。最も視聴されたのは、ZETA DIVISIONとヨーロッパのKOMAÏによるグランドファイナルです。
ただし、この数字はユナイト部門だけの伸びを示すものではありません。Esports Chartsによると、2026年はWCSの4部門すべてがピーク同時視聴者数の過去最高を記録しており、ミラー配信の急増や、初の公式ファンイベント「PokémonXP」の同時開催が追い風になったとされています。ユナイト部門でも、決勝以外で最も視聴された試合は約3万人で、総視聴時間も約81万時間と、2023年の約95.5万時間を下回っています。
それでも、ピーク視聴者数が伸び続けるなかでサービス終了を迎えることに変わりはありません。大会の注目度とタイトルの存続は必ずしも連動しないことを示す事例といえそうです。
eスポーツシーンへの影響
今回の発表で改めて浮き彫りになったのは、競技の舞台そのものがパブリッシャーのサービス継続に左右されるという、オンラインサービス型タイトルの特性です。『ポケモンユナイト』はサービス終了後、ログインも対戦もできなくなります。9月にアジア大会の金メダルが争われたタイトルが、その約半年後にはプレイできなくなるということです。
終了の理由について、SNS上ではさまざまな推測が出ていますが、いずれも公式に確認されたものではありません。選手とチームにとっては、Aeos Crownの後の進路も大きな問題になります。現時点で確認できた範囲では、大会後の方針まで明らかにしたチームは見当たりません。競技の場がなくなった後、選手が別のタイトルへ転向するのか、活動の形を変えるのかは、今後の焦点の一つです。
国内では、まず東京への切符をめぐる争いが注目されます。WCS2026で3位のIGZIST、5~8位のREJECTとC,C,、そしてアジア王者のFENNELなど、世界大会で上位を争ってきた日本勢が国内予選で再びぶつかることになりそうです。2022年に世界大会が始まった『ポケモンユナイト』の競技シーンは、日本勢による2度の世界一と、アジア大会の金メダルという結果を残して最終章に入りました。3月21日に決まる最後の王者は、その2日後に舞台そのものがなくなるという形で、大会の歴史を締めくくることになります。まずは11月12日の特別イベントと、12月に始まる地域予選に注目です。Vitoppo選手の言う「最後の大仕事」がどんな結末を迎えるのか、配信で見届けたいところです。
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