
Esports World Cup Foundation(EWCF)は8月27日、eスポーツ界に新たな歴史を刻む「Esports Nations Cup」(ENC)の開催を発表しました。この画期的な大会は、2026年11月にサウジアラビアのリヤドで初開催され、その後は2年ごとに世界各地を巡回する形で継続されます。従来のクラブ中心の競技とは異なり、選手が自国を代表して戦う国別対抗戦として、eスポーツ史上初の本格的な国際大会となります。
It’s not just about glory, it’s about the national pride.
— Esports Nations Cup (@ENC_EN) August 23, 2025
The rise of a new rivalry.
Esports Nations Cup
Riyadh, November 2026 pic.twitter.com/5tKg4JhltA
Esports Nations Cup 大会概要
「国対国の競技はスポーツの究極の表現です」と語るのは、Esports World Cup FoundationのCEOであるRalf Reichert氏です。同氏は「ENCはeスポーツにおいてそれを現実のものとし、すべてのファンに掲げる旗を与え、すべての選手に自国を代表する誇りをもたらします」と述べ、この大会の革新性を強調しました。
これまでのeスポーツ競技は、企業やクラブチームが主体となった大会が主流です。しかしENCでは、選手が母国の名前を背負って戦うことになり、ファンにとっても新たな応援の形が生まれることになります。オリンピックやサッカーのワールドカップのような伝統的なスポーツイベントが持つナショナルプライドの要素を、デジタルスポーツの世界に本格的に導入する試みとして注目が集まっています。

ENCの実現には、ゲーム業界を代表する大手パブリッシャーが共同開発パートナーとして参画しています。Electronic Arts、Krafton、Tencent、Ubisoftといった企業が、各社のゲームタイトルにおけるナショナルランキングシステムの構築、予選の仕組み、大会フォーマットの設計に直接携わるようです。またこれにより、各ゲームの特性を活かした公平で競技性の高い大会運営が実現される見込みです。パブリッシャーの直接参与は、単なるスポンサーシップを超えた本格的な協力体制を意味しており、ENCのクオリティと継続性を保証する重要な要素となっています。
各社は自社ゲームの価値観と公平性を反映したナショナルチーム競技を構築するため、豊富な知見と規模を提供します。この協力体制により、ファンにとって魅力的で、かつ最高水準の競技性を満たす大会の実現を目指しています。

ENCには、北米、南米、欧州、中東・北アフリカ、アフリカ、アジア、東南アジア・オセアニアといった主要地域のナショナルチームが参加する予定。競技形式は、チーム戦と個人戦の両方で実施され、様々なゲームタイトルでの多様な競技が予定されています。
またその包括的な予選システムが特徴となっていて、グローバルランキング、地域予選、そして連帯枠を含むワイルドカードエントリーを組み合わせることで、競争性と包摂性を両立させています。これにより、強豪国だけでなく、新興国や発展途上のeスポーツ地域からも代表チームが参加できる機会を創出しています。全参加選手には賞金が保証され、すべてのゲームにおいて同等の順位報酬が提供される予定です。また、開催地については、初回大会はサウジアラビアのリヤドで開催されますが、その後は世界各地を巡回する開催方式に移行する予定のようです。

日本のeスポーツ界にとって、ENCは大きなチャンスとなる可能性があります。日本は世界屈指のゲーム大国でありながら、国際的なeスポーツ大会での存在感は必ずしも高くない現状があります。しかし、ナショナルチーム形式の大会では、日本の総合的な競技力を結集することで、より大きな成果を期待できます。
また、日本国内でのeスポーツに対する認知度向上や、選手のモチベーション向上にも寄与すると考えられます。国を代表して戦うという明確な目標は、多くの若手選手にとって新たなキャリアパスを提示することになるでしょう。今後の展開に注目です。
(C)©Esports World Cup Foundation
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