『The International 10』開催地がルーマニアに変更。ビザ発行に関する問題を受けて

世界最大の賞金規模で知られるeスポーツ大会『The International 10』の開催地がルーマニア、ブカレストの国立競技場に変更されました。本大会はスウェーデンで開催予定でしたが、スウェーデン政府からスポーツ認可が降りず開催が難しくなってしまったための措置となります。今回の変更を受けて、開催日程等も若干変更となります。

経緯

 The International 10』はもともと202185日から15日にかけての開催が予定されていました。Valve社はコロナ禍における開催を目指し2019年時点からスウェーデン政府と調整を行っており、Stockholm LiveVisit Stockholmからは「エリートスポーツイベント」として大会が認可されており、コロナの影響による制限などを免れて開催ができると伝えられていたそうです。ですが、今年の6月上旬にスウェーデンのスポーツ連合(Swedish Sports Federation)がeスポーツ大会を「エリートスポーツ」として認可しないことを決定。はしごを外された形となるValveはスウェーデンの内務省に掛け合いましたが、すぐに却下されたとのこと。

「エリートスポーツイベント」として認可されていないということは入国ビザが公式に承認されないということです。ビザが必要な国からの新規入国ビザ申請は拒否され、通常はビザを必要としないEU外の国からの入国でも、入国の可否は個々の入国審査官の判断に任されることになります。この決定を受けてValveは継続的にスウェーデン政府に対して働き続けましたが、状況は変化せず、スウェーデンで正常に大会を開催することは難しいと判断。6月22日に開催地の変更を決定しました。

そして本日78日、The International 10の新しい開催地が発表されました。開催地となるのはルーマニアの首都ブカレスト。The Internationalの運営であるPGLのお膝元でもあります。開催日程もこれに合わせて107日から17日までに変更。グループステージが10日まで、メインステージが12日から17日となります。開催場所となる国立競技場「アレーナ・ナツィオナラ」は国内最大のスタジアムです。

ルーマニア国立競技場

今回の一件は、その競技人口やマーケット規模の成長にも関わらず、eスポーツが伝統的なスポーツと同列に扱われるまでには、いまだ長い道のりが待ち構えていることを示しているとも言えるでしょう。今回のスウェーデンの決定と判断は非常に残念なものでしたが、今後eスポーツがさらなる発展を続けていくにあたって、各国のスポーツ連合や政府から正式に認められることは必要不可欠なことです。eスポーツ大会シーンを支える弊メディアとしても、今後同じようなことが起きないことを願うばかりです。

(C)©Valve

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