eスポーツとして扱われるタイトルが年々増えていく中、Team Liquidに代表される複数タイトルに跨って活動する「マルチプロゲーミングチーム」が世界的に増えてきました。在野の強豪プレイヤーなどにとってもプロゲーミングチームに所属する、スポンサーがつくというのはまず第一の目標でもあります。eスポーツシーンにおいてチーム名のもたらすブランド効果というのは絶大であり、チームの名前を背負って勝利をもたらすべく選手たちは日々努力を重ねています。もちろん日本にも多くのプロゲーミングチームが存在しますが、大型タイトル複数に渡って展開するチームはそう多くありません。
「CREST GAMING」はそんな数少ない日本の大型マルチプロゲーミングチームのひとつであり、日本を代表するプロゲーミングチームとなっています。本稿では、そんなCREST GAMINGの活動内容や実績について、解説していきます。
コンテンツ
CREST GAMINGの歴史
CREST GAMINGは2016年に設立されたプロゲーミングチームです。なお同時期に多くのプロゲーミングチームが成立しており、「同期」と呼べるチームがたくさん存在します。
『リーグ・オブ・レジェンド』のチームとして始まったCREST GAMINGは、メンバーを入れ替えつつも2018年に国内リーグ「LJL」への参加を果たします。そして同時期に『PUBG』でも活動を開始。マルチゲーミングチームとしての道を歩み始めます。
さらに2019年には『Apex Legends』、2020年には『レインボーシックスシージ』、2022年には『VALORANT』、そして2023年からは『フォートナイト』部門も結成。『PUBG』部門は2020年、『Apex Legends』部門は2022年には解散しており、現在は4タイトルに跨って活動をしているチームとなります。
また、これら以外にもストリーマー部門や、『VALORANT』公式女性大会の開催を受けての女性部門も存在し、日本のeスポーツシーンにおいて広く活躍しています。
活動タイトル
『リーグ・オブ・レジェンド』CREST GAMING "ACT"
CREST GAMING設立時から存在する、花形のチームです。『リーグ・オブ・レジェンド』は世界的にも最も注目されているeスポーツタイトルと言っても過言ではなく、「『リーグ・オブ・レジェンド』の公式一部リーグにチームを持っている」というのはプロゲーミングチームにとって大きなステータスとなります。
現在のロスターはトップにNap選手、ジャングルにCassin選手、ミッドにEugeo選手、ADCにHoney選手、サポートにPrimo選手、そしてコーチのQoo選手の6名。現在開催中のLJL 2023 Summer Splitにも参加しています。知名度・歴史・実力ともに間違いなく日本のトップチームのひとつと言えるでしょう。
『レインボーシックスシージ』CREST GAMING "LST"
2020年から『シージ』で活躍しているチームで、元々はアマチュアチームとして活動していた「Lst」と契約を結んだチームとなります。結成以降多くの公式リーグ・大会で好成績を残しており、同タイトルでは国内屈指の注目度を誇るチームです。
現在のロスターはWh1sky選手、Eclair選手、Acerola選手、LuA選手、Tyopi選手、そしてコーチのVAshizuku選手とアナリストのTaka選手の7名となっています。今年の「レインボーシックスジャパンリーグ2023」にも参加しており、シーズン1では4位の戦績を残しています。なお、世界大会進出をかけたシーズン2は9月頃から開催される予定となっています。
『VALORANT』CREST GAMING "Zst"
急速に勢いを伸ばし今や全世界が注目するFPSタイトルとなった『VALORANT』で活躍するチームです。もともとは2020年に「CREST GAMING "DWFN"」という名前で結成されましたが、2021年4月に解散。その8カ月後、2021年12月に再び結成され、2022年4月をもって"Zst"の名前がつけられたのがこのチームとなります。
現在のロスターはkobra選手、Marin選手、GON選手、MrTenzouEz選手、sakurai選手、Alpha選手の6人。デュエリスト経験者が多いのが特徴となっており、攻撃的なプレイスタイルでよく知られています。現在は二部リーグである「VALORANT Challengers Japan」に出場中で、一部リーグであるVCT Pacificへの出場権をかけて戦っています。
『フォートナイト』CREST GAMING "FORTNITE"
CREST GAMINGの中では最も新しい部門となっており、高額賞金大会やプレイ人口の多さで知られる『フォートナイト』で活躍する部門です。メンバーは新進気鋭のChiffon選手。高校生の時からSTAGE:0や全国高校eスポーツ選手権といった有名大会で優れた結果を出している注目の若手プレイヤーとなります。
Chiffon選手はCREST GAMINGの連携校であるヒューマンキャンパスのぞみ高校の卒業生であり、卒業後そのまま正式にプロとしてCREST GAMINGとの契約を交わした形。eスポーツ教育事業はCREST GAMINGとも深い関わりがあり、こちらについては後述します。
過去に存在したチーム
CREST GAMINGには過去に『PUBG』部門と『APEX Legends』部門が存在しましたが、どちらも現在は解散しており残っていません。
"Xanadu"と呼ばれていたPUBG部門はCREST GAMING初期からのチームであり、PUBG JAPAN SERIESという公式日本大会で2度の優勝、そして複数回のベスト3入賞と非常に優れた結果を残してきています。『PUBG』シーンの落ち着きとともに解散の流れとはなりましたが、CREST GAMINGの歴史に誇る強豪チームだったと言えるでしょう。
『APEX Legends』部門は2020年に結成されました。何度かメンバーを入れ替えつつも公式大会であるALGSの予選や多くの日本大会に出場しており、2022年をもってその活動を終了しています。
CREST GAMINGの運営母体
CREST GAMINGは学びの面白さを創造する「Edutainment Company」ヒューマンアカデミー株式会社が運営母体となっています。ヒューマンアカデミーは総合的な教育事業に従事していますが、特に近年はeスポーツ事業に力を入れており、eスポーツ専門の教育機関である「eスポーツカレッジ」も手掛けています。
同じくヒューマンアカデミーが運営する通信制高校である「ヒューマンキャンパスのぞみ高等学校」にはeスポーツのコースがあり、そこからeスポーツカレッジへ。そしてCREST GAMINGの下部組織であるアカデミーから日本を代表するトッププロゲーミングチームであるCREST GAMINGへと、プロゲーマーになる道が段階を踏んで用意されており、またプロゲーマーの育成に関するノウハウも多く蓄積されています。
eスポーツカレッジがプロチームであるCREST GAMINGを擁しているのは双方にとって有益であり、特にeスポーツカレッジのカリキュラムには実際のプロシーンで培った実践的なノウハウや、CREST GAMING所属選手による直接授業などが提供されています。また、ゲームの世界ではいくら強くてもスポンサーがつくかチームに所属しなければなかなか未来が切り開けないのもポイント。eスポーツカレッジであれば『フォートナイト』のChiffon選手のように、その実力さえ示せればCREST GAMING所属のプロ選手への道が開きやすくなっています。
プロ選手だけではなく、ストリーマーやeスポーツに関わる職種全般のコースも用意されています。コーチやアナリスト、動画編集や企画、ディレクターなど、eスポーツシーンそしてeスポーツチーム運営にはさまざまな職種の人々が関わっています。それらの実務に関しても、CREST GAMING運営を通して培った実践的な内容が学べるのはeスポーツカレッジならではの強みと言えるでしょう。
eスポーツカレッジでできること
在校生には、プロプレイヤーとなるためのさまざまな道が用意されています。例えば在校生限定のトライアウト「ヒューマンスカウティンググラウンズ」があり、通過した場合はプロチームの下部組織であるアカデミーに所属できます。また、eスポーツチームの運営にまつわる仕事についてはインターンシップ制度が用意されており、マネジメントやアナリストの業務に関われるのも魅力です。
また、プロゲーミングチームを擁する組織ならでは人脈で海外の有力なチームやアナリスト、講師などの招聘が行われているのもeスポーツカレッジの大きな強みです。2023年7月にはVALORANTの競技シーンにおいて数々の大会で実績を残しながら急成長している、シンガポールのプロeスポーツチーム「PAPER REX」による特別授業が行われました。PAPER REXはVALORANTシーンを追っている人ならば知らない人はいないほどビッグネームであり、eスポーツカレッジではこういったチームや組織との接点が持てるのも魅力となっています。
講師陣や設備も充実。最前線で活躍するプロ選手や講師の教えを直接受けられるほか、最新設備の揃った練習環境も提供されています。また、eスポーツトップタイトルに強いのも特徴。CREST GAMINGは日本有数のマルチゲーミングチームであり、『リーグ・オブ・レジェンド』『VALORANT』『レインボーシックスシージ』『フォートナイト』といった超有名タイトルを複数に跨って活躍しています。そしてもちろんこういったタイトルの具体的な戦術や上達論について実践的で体系的な知識が揃っており、これらのタイトルでプロを目指す方にとっては最適と言えるでしょう。
総合学園ヒューマンアカデミーe-Sportsカレッジ
まとめ
本記事では日本を代表するプロゲーミングチーム「CREST GAMING」の組織構造や実績、そしてその運営母体であるヒューマンアカデミーとeスポーツカレッジについて解説してきました。CREST GAMINGは現在も多くのタイトルに跨って活躍しているチームであり、ほぼ毎週のように大会に参加しています。興味のある方はぜひ、「LJL」や「VCT」といった各タイトルの公式大会の内容を追うとよいでしょう。
また、教育機関であるeスポーツカレッジとの繋がりが強いのもCREST GAMINGの大きな特徴。特に今高校生で将来プロゲーマーやストリーマーを目指したい方、ゲームの腕を磨きたいと思っている方、そして全般的にeスポーツやeスポーツチームの運営に関わる仕事に携わりたい方にとって、eスポーツカレッジは最適な選択肢と言っていいでしょう。発展途上である日本のeスポーツシーンでは、在野の才能に対するスカウティングがうまく機能していないのが現実です。自らの能力を存分に発揮するため、そして夢を掴むためにも積極的に行動するのがオススメです。
(C)©Human Academy
ゲームを仕事に。チャンスをみんなに。eスポーツ選手紹介サービス「ゲーマーズ・ナビ」
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